子連れ殺人拳

空手屋稼業の一匹狼・坂田周平。ある日、貨物列車の中で、剣術使いの水木と知り合う。その水木は、修という幼い息子を連れているものの、鋭い殺気が漲っていた。数日後、とある怪我をしたチンピラを助けたことで、小さな町医者の立花と知り合いになった周平は、この街がヤクザ抗争の渦中にあり、街の人々が泣かされていることを聞き及ぶ。早速、周平は東田組が経営するクラブ銀の城へと出向き、用心棒として自らを売り込むが、東田はこれを拒否する。一方、対抗する西村組では、水木を用心棒に迎え、この街を手中に収めようと目論む。そんな中、銀の城のマダム志水銀子は、周平の気っ風の良さに惚れ込み、東田組と西村組が互いに利権を争う裏事情をレクチャーする。数年前、この街を牛耳っていた平尾が、とある事件で刑務所入りしたことから、その舎弟分であった東田と西村が、平尾が隠し持つ数億円にも及ぶ麻薬を巡って争うようになったのだ。一方、この銀子もかつて平尾の情婦であり、東田や西村と共に麻薬を独り占めにしようと目論んでいた。数日が流れ、東田と西村の争いが激化してくる。そして、西村組は水木の腕を頼りに東田組を追い詰めてゆく。劣勢に立った東田は、周平へと泣き付いてくる。東田と西村の争いを激化させ、双方を潰してしまおうとする企む周平は、東田の申し出を引き受ける。一方、銀子の妹で立花の許で働く看護婦の由美は、周平の人柄を知り、次第に心惹かれていく。また、水木の子供修も周平に懐いていく。しかし、両組の抗争の激化は、周平と水木の対決を迫ることになる。二人の死斗は、凄まじいものとなる。水木の剣、周平の拳、両者一歩も譲るところのない激突は、僅かに周平の技が勝り、周平は水木の脳天をぶち抜く。虫の息となった水木は、修のことを周平に託すと息を引き取るのであった。さらに数日が経ち、平尾が出所することになり、それを知った銀子が平尾を出迎え、これまでの抗争の経緯を告げ口するが、銀子の裏切りを知っていた平尾は、その場で銀子を始末する。断末魔の銀子から麻薬の在処を知った周平は、修を連れて、隠し場所へと向かう。一方、周平に麻薬を横取りされたことを知った平尾は周平の後を追う。いよいよ、周平と平尾の対決の時が迫る…。